研究一覧

NASS事業における心理サポートの2014年度実践報告および今後の活動に関する提案

  • 2015/04/30
  • 高井秀明、園部 豊、柴原健太郎、藤本太陽、深見将志、本郷由貴、平山浩輔
  • 日本体育大学体育研究所雑誌

日体大アスリートサポートシステム(NSSU Athlete Support System:以下,NASS)事業の心理サポート部門では、2014年度に日本体育大学のカヌー部をサポートし、カヌーに必要とされる試合の戦術や、ペア・フォアにおけるチーム力の向上に寄与した可能性がみられた。今後は心理サポートにより自己管理能力の高い選手を輩出して1名でも多くの日本体育大学の学生が東京オリンピックに出場し、活躍できるようサポート活動に邁進する。

大学男子柔道選手における減量の実態調査

  • 2015/03/31
  • 藤本太陽、園部 豊、小嶋新太、田辺 勝、山本洋祐、楠本恭久
  • 講道館柔道科学研究会紀要

大学男子柔道選手の減量の実態と短期間の減量が心身へどの程度影響を及ぼしているのかについて明らかにすることを目的とした。その結果,調査対象者の約半数が減量を行っており、減量を行う多くの選手は短期間の減量を行っていた。そして、減量を行う選手の約8割が心身に負の影響を受けていた。さらに、減量による負の影響は心理面が身体面よりも有意に高かった。今後は減量時の心理面へのサポート介入が求められる。

アスリートの身体感覚増幅度に筋の弛緩感覚が及ぼす効果

  • 2015/03/01
  • 秋葉茂季、立谷泰久、高井秀明、楠本恭久
  • スポーツ精神医学 12

本研究の目的は、競技者における身体感覚認知の特徴を明らかにし、身体動作を手掛かりとした心理技法によって得られる筋弛緩感覚が競技者特有の身体感覚認知に及ぼす影響を検討することであった。その結果、競技者が競技者特有の身体感覚を保持しつつ身体感覚増幅度を低下するには、筋弛緩感覚を受容できるようになることが必要であるといえる。

バーチャルリアリティを伴った呼吸法が心理・生理的な反応に及ぼす影響

  • 2015/03/01
  • 深見将志、高井秀明、楠本恭久
  • 応用心理学研究 40(3)

本研究は、安定した室内環境におけるMTとこれにVR技術を付加した環境下におけるMTの効果について検証するため、大学生アーチェリー選手を対象に実験を行った。実験時の気分状態と自律神経活動について比較・検討した結果、VR環境下におけるMTは、自律神経活動の特徴的な変化をもたらさなかったものの、自覚的な活性度を高めることが明らかになった。

筋電図バイオフィードバック法を併用した漸進的弛緩法が主観的評価と心臓自律神経活動に及ぼす影響

  • 2014/09/01
  • 高井秀明
  • 日本体育大学紀要 44(1)

本研究では、本研究では,筋電図BFを併用したPRが筋の緊張と弛緩の主観的評価と心臓自律神経活動に及ぼす影響について検討した。その結果、PRの主観的評価を身体部位毎にみると、PRに筋電図BFを併用するか否かに関わらず、左脹脛以外の身体部位では筋の緊張の主観的評価が筋の弛緩より高かった。また、右脹脛の主観的評価は、筋電図BFを併用したPRが閉眼で行なうPRより高かった。心臓自律神経活動についてみると、心臓交感神経活動はPRの実施後に低下し、迷走神経活動はPRの実施前から実施中、実施後にかけて亢進した。

大学男子柔道選手を対象とした減量時の心理的負担軽減法の検討―自律訓練法を用いて―

  • 2014/09/01
  • 藤本太陽、園部 豊、小嶋新太、田辺 勝、山本洋祐、楠本恭久
  • 日本武道学会第47回大会

大学男子柔道選手の減量時の心理的負担の軽減について自律訓練法(AT)を用いて検討した。実験1ではATの練習効果,実験2ではATの臨床効果について検討した。その結果、実験1では生理、心理的指標からリラクセーション状態へと導かれたことが明らかとなった。実験2ではATを行うことによって、減量時の心理的負担を軽減することが示唆された。

Intervention of autogenic training Effect on the psychological burden of weight loss during ―As intended for university male judo players―

  • 2014/08/07
  • Taiyo Fujimoto,Yutaka Sonobe,Yasuhisa Kusumoto
  • 7th Asian South Pacific Association of Sport Psychology International Congress

大学男子柔道選手を対象として減量時の心理的負担の軽減方法の検討を自律訓練法(Autogenic Training : AT)を用いて行った。校内試合に出場する者を対象に,統制群(減量無)、減量群、減量AT介入群の3群に分けて実験を行った。その結果、減量AT介入群は繰り返し可能な競技意欲検査のコーチ受容の上昇、心理ストレス反応尺度の不機嫌の抑制傾向、試合中の心理状態検査の得点は他の2群よりも有意に高い得点を示した。このことから、減量時のATは心理的コンディションを整える方法として有効であることが示唆された。

Psychological effect of the first progressive muscle relaxation of athletes

  • 2014/08/07
  • T. Sakabe, H. Okubo, T. Fujimoto, Y. Sonobe, Kusumoto
  • 7th Asian South Pacific Association of Sport Psychology International Congress

本研究では、体育専攻学生における漸進的筋弛緩法(PMR)の実施初回の心理的効果についてPOMSを用いて検討することを目的とした。その結果、ストレス課題後からPMR後にかけて緊張、抑うつ、疲労、混乱の得点が有意に低下し、体育専攻学生においても初回からPMRの心理的効果を得られることが明らかとなった。

Effect of relaxation techniques in collegiate female handball players

  • 2014/08/07
  • H. Okubo, T. Sakabe, T. Fujimoto, Y. Sonobe, S. Tsuji, Y. Kusumoto
  • 7th Asian South Pacific Association of Sport Psychology International Congress

本研究では、大学女子ハンドボール選手を対象にリラクセーション技法である自律訓練法(AT)と漸進的筋弛緩法(PR)を行い、初回の心理的効果について二次元気分尺度を用いて検討した。その結果、ストレス課題後にATもしくはPRを実施することで快適度が有意に上昇することが示され、両技法において初回から効果を得られることが明らかとなった。

Cultural view of self of Japanese soccer coaches in the Bundesliga

  • 2014/08/01
  • Hideaki Takai
  • ASPASP 2014

本研究では、長年にわたって異文化圏のドイツで生活をし、サッカーのブンデスリーグで指導するエキスパートの日本人コーチ3名の文化的自己観の特徴を事例的に明らかにすることとした。その結果、コーチBとコーチCはドイツでの滞在が長期間になっても、日本人を含むアジア人の特徴である、相互協調的自己観を強くもちあわせていることが示された。しかし、コーチAはドイツ人の一般的な特徴である、相互独立的自己観をもちあわせている可能性が高かった。