8月30日（水）から9月1日（金）まで、同志社大学今出川校地（京都）にて開催された日本体育・スポーツ健康学会第７３回大会に参加したのでご報告いたします。今回の学会大会には、スポーツ心理学研究室に関係する教職員7名、一般研究員3名、大学院生6名が参加いたしました。

8月30日（水）

初日はそれぞれの研究の関連領域のシンポジウムや口頭発表などに参加しました。私は、大学院に入学し、人生で初めての学会参加となりました。体育・スポーツ科学の領域の研究者が多く集まり、そこでは様々な研究成果が発表されており、皆さんが体育・スポーツ科学の普及・発展に貢献しようとされている姿がとても印象に残りました。

私は、スポーツ文化研究のシンポジウムに参加しましたが、「スポーツを通じて社会的な不平等を是正できるか？」がこのシンポジウムのテーマでした。このシンポジウムでは、社会問題を解決するための手段としてのスポーツにあり方について考える機会を得ました。ここでは、「先住民」「移民」「障がい者」等の問題が事例として取り上げられており、多様性への理解が進む現代においても、まだ多くの問題があることに気づかされました。また、このシンポジウムを通して、私はスポーツを考える上で、あらゆる視点をもつことが重要性であると知りました。私は、多様性が求められる現代で「スポーツ」と「宗教」の環境適応の研究に取り組んでいます。本シンポジウムの内容を通して、私は一つの問題に対して多角的に捉えて理解していくことがその研究を進めていく上で重要であると思いました。

8月31日（木）

二日目も、初日同様、それぞれの研究の関連領域のシンポジウムや口頭発表などに参加しました。私は、同期や大学院生の発表を聞きました。同世代の研究者が素晴らしい発表をしており、私自身とても良い刺激を受けました。発表資料や話し方など、勉強になるところがありました。人前で話すということは、とても緊張しますが、聞いてくださる人に伝わるように発表するためにはどうしたら良いかについて考えていきたいと思います。

当日のプログラム後は、研究室に関わってくださる先生や大学院生とともに親睦会を行いました。先輩方の貴重なお話や研究内容等を知ることができ、とても楽しい時間を過ごすことができました。スポーツ心理学研究室に関係する皆さんはとても温かく楽しい雰囲気だと感じ、この研究室に入ることができてよかったと思いました。

9月1日（金）

三日目は、ポスター発表と口頭発表が行われました。

以下、研究発表の題目となります。（★は研究代表者です。）

★高井秀明・大久保　瞳

「近代五種競技選手の心理特性と射撃のパフォーマンスに関する特徴」

★北橋達朗・高井秀明

「サッカー選手におけるレジリエンスが運動再投入と意思決定再投入に及ぼす影響」

★相川聖・高井秀明

「アスロートの制御焦点が試合中の対処方略とパフォーマンスに及ぼす影響」

★坂部崇政・高井秀明

「大学スポーツにおける２年生の役割とチームへの関わり方の検討
―大学女子ラクビー部を対象として―」

★大久保　瞳・高井秀明

「認知課題の遂行が精神的負担を及ぼす影響」

★浦佑大・高井秀明

「スポーツ版実行機能質問紙の妥当性―ストループテストによる検討―」

★折茂紗英・高井秀明

「日本語版スポーツコミットメント尺度２改訂版の作成」

★人羅美帆・高井秀明・坂部崇政

「女子ラグビー選手の状況判断に関する検討―ポッドアタック時の視点に着目して―」

★高橋由衣

「JISS心理グループの過去２０年間における個別心理サポートの実態調査

―初回来談時のトップアスリートの主訴に着目して―」

口頭発表

★内川義弘・高井秀明

「アスリートの反芻・省察がAcceptance & Commitment Therapy(ACT)におけるコア・行動的プロセスに及ぼす影響―認知的フュージョンの媒介効果に着目して―」

★松原旭飛・高井秀明

「日本人大学生アスリートはどのような場面で心理的安全性を認知しているのか？―性差による特徴―」

学会大会三日間を通して、様々な学びが得られました。特に自身のあり方を見つめ直す良い機会となりました。今回得られた学びを活かし、科学サポート活動や研究活動にまい進していきたいと思います。

修士前期課程1年　山本 築