Research list 研究一覧
- 高井秀明
- 日本体育大学紀要 40(2)
本研究では、心理的アプローチである自律訓練法と身体的アプローチである漸進的弛緩法は継続的に練習することにより、心理的覚醒水準の中のポジティブ覚醒において異なる特徴を示すことが明らかになった。競技者がリラクセーション技法の中から自律訓練法もしくは漸進的弛緩法を選択してその練習に臨む際には、自律訓練法と漸進的弛緩法の一般的な方法だけでなく、このような心理的覚醒水準の特徴も理解しておく必要があるだろう。
- 高井秀明、辻 昇一、楠本恭久
- 催眠学研究 52(1・2)
本研究の目的は、競技者を対象に漸進的弛緩法(PR)もしくは自律訓練法(AT)を継続的に練習することが、競技不安にどのような影響を及ぼすのかについて明らかにすることであった。検討した結果、競技における状態不安をみると、AT群のほうがPR群よりも認知的不安を低減させ、PR群のほうがAT群よりも身体的不安を低減させた。競技における特性不安は、両実験群ともに練習を3週間以上継続することで低減させた。
- 伊藤 彩、高井秀明、平山浩輔
- メンタルトレーニング・ジャーナル4
本研究の目的は、柔道女子ジュニア選手の心理的競技能力の特徴と、「心・技・体」に注意を向ける割合の競技場面の差異について明らかとすることであった。その結果、柔道女子ジュニアチームの特徴として以下の知見を得た。DIPCAと「心・技・体」の結果より、柔道女子ジュニアチームの心理的特徴として、柔道に対する意欲を強く持ちながら、チームワークを大切にし、励まし合ってプレーできること、決断力と判断力が低いことが明らかとなった。
- 高井秀明
- 日本体育大学大学院博士論文
本研究では、心拍バイオフィードバック法をアーチェリーの実射中に適用し、その影響について明らかにすることを目的とした。なお、本研究では心拍バイオフィードバック法として心拍音の傾聴を利用した。アーチェリーの実射中に心拍音を傾聴することは、発射時間の変動を減少させ、心室拡張期中での発射本数を増やし、得点を高めた。よって、アーチェリーの実射中に心拍音を傾聴する継続的トレーニングは、アーチェリーの競技力を向上させるための一助になるものと期待される。
- Hideki Takai、Osamitsu Saijo、Yasuhisa Kusumoto
- International Journal of Sport and Health Science, 7
本研究では、自律訓練法(AT)初心者のアスリートを対象とした自律フィードバック訓練法(AFT)の利用法について明らかにすることを目的とし、ATとAFTの心理・生理的反応を比較した。今回は、ATの温感練習について検討した。その結果、AT初心者のアスリートにとってAFTは、ATよりもリラクセーション効果はなく、温かみも感じることはできないが、ATに対する動機づけを高めるためには有効といえよう。
- 高井秀明、久保陽子、荒木雅信
- 体育学研究 54(2)
本研究では、アーチェリーにおける世界トップ選手のシューティング動作の局面構造毎の時間配分に関する特徴を明らかにした。かれらのシューティング動作における局面構造毎の平均時間とその変動係数を算出し、かれらが1/64予選ラウンドから決勝ラウンドまでの試合において対戦した選手と比較した。その結果、男女個人戦のゴールドメダリストの特徴は、エイミング時間にあることがうかがえた。
- 高井秀明
- バイオフィードバック研究 36(2)
本研究では、安静時における心拍音の傾聴が心理・生理的変化に及ぼす影響について検討した。その結果、心拍音の傾聴による特徴がみられたのは、生理指標であるLorenz plotのCSI値と皮膚電位水準においてである。Lorenz plotのCSI値より、心拍音の傾聴は実験後安静において心臓交感神経活動を抑制した。また、実験中の皮膚電位水準は、心拍音を傾聴すると陽性化させた。よって、安静時に心拍音を傾聴することは、閉眼安静状態よりも交感神経活動を抑制させることが明らかとなった。
- 高井秀明、楠本恭久
- 催眠学研究 51(1・2)
本研究では、自律訓練法(AT)初心者を対象に、開眼と閉眼で行う自律訓練法の心理・生理的反応について比較した。今回は、特にAT初心者の重感・温感練習の心理・生理的覚醒水準と主観的評価に焦点をあてて検討した。その結果、AT初心者にとってATを閉眼で行うことは、開眼で行うよりも重感練習を時間経過とともにリラクセーション状態に導き、さらには重感練習の主観的評価を高めることが明らかとなった。
- Yasuhisa Kusumoto、Fumiyukei Sasaki、Hideki Takai、Yasuhisa Tachiya
- ISSP 12th World Congress of Sport Psychology
本研究の目的は、試合の中で選手が考える理想の状態を調査し、各競技に適した固有の暗示語を作成することであった。調査対象者は、A大学の柔道、剣道、卓球、ラクロス、ハンドボール、野球、体操競技、陸上競技、アーチェリーの選手438名であった。検討の結果、柔道では、道具を使わないため、相手に関する暗示語が多く抽出された。それに対して、剣道とアーチェリーでは、両競技ともに道具を使うため、それに関する暗示語が多く抽出された。以上のことをふまえ、各競技の特徴を考慮して選手のメンタルトレーニングに暗示語を利用していくことが好ましいと思われる。
- Fumiyukei Sasaki、Hideki Takai、Yasuhisa Tachiya、Yasuhisa Kusumoto
- ISSP 12th World Congress of Sport Psychology
本研究の目的は、競技場面においてメンタルマネジメントひとつとして利用されている暗示放尿が、気分や感情にどのような影響を及ぼすのかについて明らかにすることであった。検討の結果、暗示放尿の効果は気分と感情においてみられなかったものの、内省報告では、暗示放尿をすることにより、ポジティブな感想を述べる実験参加者が増加したといえよう。今後は、暗示放尿を継続的なトレーニングとして実施し、その効果について検討する必要がある。
- 所属先
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〒158-8508
東京都世田谷区深沢7-1-1
日本体育大学東京・世田谷キャンパス2415研究室 - 連絡先
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高井秀明(Takai Hideaki)
日本体育大学体育学部体育学科
TEL:(03)5706-0863
FAX:(03)5706-0863
E-mail:takai@nittai.ac.jp