Research list 研究一覧

- 松原旭飛・高井秀明
- 日本スポーツ心理学会第52回大会(同志社大学)
本研究では, 先行要因としてのセキュアベース・リーダーシップおよびフォロワーシップから, 創発的状態(心理的安全性・集団凝集性)を経て成果に至るまでの一連のプロセスを統合的に検討するモデルの構築を試みた。コーチの意図を踏まえつつも建設的に行動するプロアクティブ行動とメンバーにとって安心・安全をもたらし, 挑戦やリスクテイクを促すセキュアベース・リーダーシップの双方が, 創発的状態(心理的安全性と集団凝集性)を介してチームパフォーマンスの認知を正に予測していた。
- 松原旭飛・高井秀明
- 日本社会心理学会第66回大会(東京大学)
本研究の目的は, Carsten et al.(2010)が提示した3類型に基づいて大学生アスリート版フォロワーシップ尺度の信頼性と妥当性を検討することである。その結果, 「プロアクティブ行動」と「受動的行動」の2因子が抽出され, 指導者の意図を踏まえつつも建設的に行動することを示すプロアクティブ行動のみがチームパフォーマンスの認知と有意な正の関連を示した。したがって, 単なる従順さだけではなく, 指導者の方針を尊重しながらも自らが考えて行動するフォロワーの存在はチームパフォーマンスの発揮に貢献している可能性がある。
- 松原旭飛・高井秀明
- 日本心理学会第89回大会(東北学院大学)
本研究の目的は, 競技スポーツの心理的安全性がチームプロセスに及ぼす影響について, 下位因子ごとの関連を明らかにすることであった。心理的安全性の下位因子「積極的傾聴」と「プレイスタイルの相互理解」はチームプロセスの全ての下位因子に正の影響を及ぼしていた。このことから, 相手のことを尊重しながら他者の声に耳を傾け, お互いのプレイスタイルを理解することはチームワークの行動的側面を促進する中核的要素であることが示唆された。
- 松原旭飛・人羅美帆・高井秀明
- 日本体育・スポーツ・健康学会第75回大会(日本体育大学)
本研究の目的は, 競技スポーツの領域における心理的安全性について検討した研究知見をPRISMA extension for Scoping Reviews(Tricco et al., 2018)にしたがって体系的に整理し, 今後の研究課題を特定することである。分析の結果, 心理的安全性の定義や測定ツールは混在していた。ゆえに, 競技スポーツの特徴を反映した定義, ならびに信頼性と妥当性を有した測定ツールを開発することは喫緊の課題であるといえる。また, 心理的安全性をチームレベルの現象として捉えたマルチレベル研究や経時的変化を検討する縦断研究を拡充することで, 競技スポーツ固有の心理的安全性に関する理解はより一層深まるだろう。
- 飯田麻紗子
- 法政大学大学院紀要第94巻
ジェンドリンのフォーカシングと『プロセスモデル』の理論から,アスリートの心理サポート及び身体について考察した。その結果,アスリートが語る身体には,次なるプロセスが含まれており,アスリートの身体に注目することは,アスリートにとって新たな感覚,概念を生み出すことに繋がることがうかがえた。アスリートの内側で感じられる“何か”は,単に身体化というかたちだけで説明できるものではなく,心理サポートではアスリートの身体を重視し関わることが重要であることが示された。
- 北橋達朗・高井秀明
- 日本体育・スポーツ・健康学会第75回大会(日本体育大学)
本研究の目的は、経験豊富なサッカー指導者の視点から、ユース年代のサッカー選手がプロサッカー選手になるために必要な心理的能力および心理的特性を明らかにすることであった。その結果、心理的能力および心理的特性に関する16のサブテーマと4つの潜在的なテーマが識別された。なお、4つの潜在的なテーマは、Awareness、Goal-directed attributes、Resilience、Emotional Intelligenceで構成された。今後は、これらの体系化された心理的要素を競技環境で育むための取り組みについて検討する必要がある。
- 堀彩夏・齋藤雅英・相川聖・浦佑大
- オリンピックスポーツ文化研究,10:101-111,2025
スポーツを活用したまちづくりの実現にはまちと地元アスリートの協力が必要である.これを実現している北海道中川郡幕別町を対象として,トップアスリート輩出要因ならびにトップアスリートの地域愛着の形成要因について検討した研究.幕別町出身オリンピアン2名のインタビュー調査から,幕別町の特徴である,町全体で地元アスリートを応援することや身近にトップアスリートが存在すること,マルチスポーツが可能な環境などがトップアスリートの地域愛着やトップアスリート輩出に関わる可能性が示された.
- 堀彩夏・高井秀明・篠原秀典・齋藤雅英
- 日本体育・スポーツ・健康学会第75回大会(日本体育大学)
身体意識と反芻・省察に関する縦断的調査を実施し,身体意識の変容および反芻・省察の減弱,促進について堀ほか(2024)にデータを追加し,分析手法を変更して再検討した.本研究の結果から,身体意識と反芻は経時的に変化する可能性はあるが,その変化には個人差があり,身体症状への意識を低減させることで,反芻を減弱させる可能性があることが明らかとなった.一方で,身体感覚への意識と省察の関係についてはさらなる検討が必要である.心理療法やリラクセーションを活用し,身体意識を改善することで反芻を減弱させることができると考えられるが,変化には個人差があるため,ライフイベントや性差,年齢などを考慮する必要がある.
- 堀彩夏・高井秀明・齋藤雅英
- 日本スポーツ心理学会第51回大会(広島大学)
身体意識を測定するBody Awareness Scale(Fujino, 2012)と反芻,省察を測定するRumination-Reflection Questionnaire日本語版(高野・丹野,2008)を使用して大学生アスリートと一般大学生の特徴を検討し,大学生アスリートは一般大学生よりも身体意識が高く,身体意識が反芻および省察に影響を与える可能性を示した.
- 堀彩夏・高井秀明・篠原秀典
- 日本体育・スポーツ・健康学会第74回大会(福岡大学)
身体意識を測定するBody Awareness Scale(Fujino, 2012)と反芻,省察を測定するRumination-Reflection Questionnaire日本語版(高野・丹野,2008)を使用して身体意識と反芻,省察に関する縦断研究を行い,身体症状の緩和は反芻を減弱させ,身体感覚への意識の向上は省察を促進させる可能性を示した.
- 所属先
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〒158-8508
東京都世田谷区深沢7-1-1
日本体育大学東京・世田谷キャンパス2415研究室 - 連絡先
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高井秀明(Takai Hideaki)
日本体育大学体育学部体育学科
TEL:(03)5706-0863
FAX:(03)5706-0863
E-mail:takai@nittai.ac.jp