研究一覧

日体大における競技レベル別の心理的問題・課題に関する研究
- 2018/03/31
- 高井秀明、平山浩輔、玉城耕二、永野遼平、大久保 瞳、園部 豊、岩崎宏次
- 日本体育大学体育研究所雑誌
本研究では、運動部に所属する学生を対象に、競技スポーツ場面における心理的問題・課題に関する実態について把握することを目的とした。その結果、競技レベルに関わらず、競技・日常において悩みを抱えており、心理サポートに興味を持っていることがうかがえた。加えて、心理サポートに関わる理論や実践方法に関する講習会への参加に意欲的であり、多くの学生が実力発揮のために心理サポートの必要性を訴えていた。
ハンドボール選手のハーディネスとストレス反応に関する縦断的研究
- 2018/03/03
- 鈴木千寿、松井幸嗣、辻 昇一
- 日本ハンドボール学会第6回大会
本研究では、ハンドボール選手に対して縦断的な質問紙調査を行ない、ライフイベントがストレス耐性であるハーディネスとストレス反応に及ぼす影響について検討した。分析対象者は、A大学ハンドボール部に所属する女子部員23名であり、合計2回の調査を実施した。その結果、各調査時期においてハーディネスによるストレス緩衝効果が認められた。また、縦断的な調査によってライフイベントがハーディネスとストレス反応に強く影響していることが明らかとなった。
心理的競技能力が情動知能に及ぼす影響―柔道競技者を対象として―
- 2017/11/26
- 藤本太陽、平山浩輔、高井秀明
- 日本スポーツ心理学会第44回大会
柔道競技者を対象に心理的競技能力が情動知能に及ぼす影響について検討を行った。その結果、「自己動機づけ」は自己実現意欲、「自己コントロール」は協調性、「愛他心」は自己実現意欲、「対人コントロール」は協調性、「状況洞察」は自信と決断力と協調性、「リーダーシップ」は判断力と協調性、「状況コントロール」は協調性から有意な性の影響を受けていることが示された。以上のことから、クローズドスキル競技であるカヌー競技者では、心理的競技能力と情動知能は関係があり、心理的競技能力は情動知能に正の影響を与えることが明らかとなった。
アーチェリー競技時における自律神経活動の時系列的変化
- 2017/11/26
- 高井秀明、柴原健太郎、本郷由貴、平山浩輔、藤本太陽
- 日本スポーツ心理学会第44回大会,302-303,2017.
本研究ではアーチェリーの試合時において継続的に心拍(心電図R-R間隔)を測定し,そこから自律神経活動の特徴を明らかにした。心拍変動の周波数解析における低周波(LF)帯域は,交感神経・副交感神経の両神経活動を反映しており,高周波(HF)帯域は副交感神経活動を反映している(Akselrod et al., 1985; Pagani et al., 1986)。また,LF/HFは交感神経活動を反映している。本研究における状態不安低群は,状態不安高群よりすべてのエンド(1エンドから6エンドまで)でLF nuの平均値が低く,HF nuの平均値が高かった。LF/HFの平均値をみると,1エンドから4エンドまでは状態不安高群が状態不安低群より高く,5エンドから6エンドまでは状態不安低群が状態不安高群より高かった。
アスリートにおけるハーディネスを媒介要因としたストレスモデルの構築
- 2017/11/25
- 鈴木千寿、高井秀明
- 日本スポーツ心理学会第44回大会
本研究では、ストレス耐性として考えられているハーディネスを媒介要因としたストレスモデルの構築を行なった。調査は、A大学体育専攻学生465名を対象とし、質問紙調査を実施した。その結果、ハーディネスを媒介することでストレス反応の軽減につながることが示された.さらに、ストレッサーはハーディネスを媒介することによって問題焦点型コーピングの使用頻度に影響すし、ストレスとなる問題そのものの解消に作用することが示された。
遮蔽された技に対する選択反応課題中の行動的、生理的反応―空手道選手を対象として―
- 2017/11/25
- 坂部崇政、高井秀明、大久保 瞳
- 日本スポーツ心理学会第44回大会
本研究では、空手道選手を対象に、遮蔽された技の選択反応課題時における視線行動を生理学的側面から評価することを目的とした。その結果、技に対する反応時間は上半身が遮蔽された条件において有意に遅延したがP300潜時には有意な差がなかったことから刺激評価段階には差がなかったことが示された。また、P300振幅においては刻み突きよりも逆突きに対して有意に増大した。
日本語版SIAQを用いたアスリートのイメージ能力の特徴
- 2017/11/25
- 相川 聖、高井秀明
- 日本スポーツ心理学会第44回大会
本研究は,日本語版SIAQを用いてアスリートの競技レベルによってイメージ能力に違いがあるのか,また,競技種目の特徴を反映した分類によって,イメージ能力にどのような特徴が現れるのかについて検討した.検討の結果,日本語版SIAQによって測定されるイメージ能力は競技レベルを反映することが明らかになった.また,競技の特徴を詳細に反映した分類によって,イメージ能力に違いが見られた.以上のことから,日本語版SIAQを用いることによって,競技レベルや競技種目の特徴を反映したイメージ能力を測定できることが明らかとなった.
チームスポーツにおける試合時のコミュニケーションについて―A大学ハンドボール部女子を対象に―
- 2017/11/25
- 大久保 瞳、高井秀明、柴原健太郎、平山浩輔、辻 昇一
- 日本スポーツ心理学会第44回大会
本研究では、選手の立場および試合当日の各場面で必要なコミュニケーションについて、A大学ハンドボール部女子を対象に検討した。その結果、ウォーミングアップ時は、立場の違いにかかわらずコート、ベンチおよび応援ともに、覚醒水準を高めるためのコミュニケーションが挙げられた。一方で、試合中および試合後のミーティングではそれぞれの立場の特性を活かしたコミュニケーションを図る必要性が示された。
あがりの発生場面と徴候に対する予防・対処法に関する実態調査―A大学女子柔道選手を対象として―
- 2017/10/01
- 藤本太陽,高井秀明,平山浩輔,小嶋新太
- 日本体育大学紀要 47(1)
女子柔道選手21名を対象に、試合に臨む際に生じる選手個々人のあがりの場面や徴候、有効な予防・対処法に関する実態を明らかにすることを目的とした。その結果、試合前に失敗しないか不安になるという徴候が生じた際は、覚悟を決めることが重要であり、試合前に心拍数が増加した際は、呼吸法という予防・対処法を用いることが有効であることが示唆された。
チームスポーツにおける集団生産性を高める試み―A大学ハンドボール部女子を対象として―
- 2017/09/30
- 大久保 瞳、高井秀明、平山浩輔、辻 昇一
- 日本体育大学紀要 47(1)
本研究では、A大学ハンドボール部女子を対象とし、Steinerが考案した「集団の生産性」理論を基に、チーム目標を達成するために集団になることのメリットとデメリット、そして改善策を明確化させることを目的とした。その結果、チーム内で密にコミュニケーションを図ることで信頼関係を築き、選手が自分自身の考えを主張し、仲間に伝える能力を身に着けることが今後の課題として示された。