研究一覧

VR環境における空手道選手の情報処理能力の検討

  • 2021/09/07
  • 坂部崇政・高井秀明
  • 日本体育・スポーツ・健康学会第71回大会

本研究の目的は,突き技のVR映像を用いて空手道選手の情報処理能力について検討することであった。その結果,反応時間には有意差がみられ,熟練群は非熟練群よりも早い段階で突き技に反応していることが明らかとなった。このことから,熟練群は突き技の判断に必要な視覚的手がかりを早期に抽出していたものと考えられる。

コロナ禍における大学生アスリートの心理的問題・課題と精神的健康の経時的変化

  • 2021/09/07
  • 戸松陽平・高井秀明・大久保瞳・岩崎宏次・坂詰和絵・川浪哲如・折茂紗英
  • 日本体育・スポーツ・健康学会第71回大会

コロナ禍における大学生アスリートの心理的問題・課題と精神的健康の経時的変化を目的とした.調査対象者はA大学学友会運動部に所属する学生403名であった.調査は1回目を2020年6月下旬~8月上旬,2回目を2021年2月上旬~3月下旬に実施した.調査対象者には心理的問題・課題に関する実態調査と日本語版GHQ28への回答を求めた.なお,分析対象者は,両調査に不備なく回答した125名(男性38名,女性87名,平均年齢19.04±0.91歳)とした.両調査におけるGHQ28の経時的変化を検討したところ,身体的症状とうつ傾向の得点は,1回目から2回目にかけて有意に高まった.

大学生アスリートにおける組織コミットメントに関する特徴

  • 2021/09/07
  • 折茂紗英・高井秀明
  • 日本体育・スポーツ・健康学会第71回大会

スポーツ版組織コミットメント尺度を用いて,大学生アスリートとクラブの特徴による違いを検討した.その結果,クラブで役割がある者やレギュラーはそうでない者より得点が高かった.また,競技レベルが高いクラブは低いクラブより得点が高く,人数の少ないクラブは多いクラブより得点が低かった.本研究から,スポーツにおける組織コミットメントは,アスリートの属性やクラブの特徴によって影響を受けることが明らかとなった.170

アスリートにおける身体への意識と反芻・省察傾向との関連

  • 2022/09/07
  • 堀彩夏・高井秀明
  • 日本体育・スポーツ・健康学会第71回大会

本研究では、身体への意識のあり方が反芻および省察に与える影響について明らかにすることを目的とする。本研究では、A大学学友会運動部に所属する375名(男性201名,女性174名,平均年齢19.93歳)を対象に調査を実施した。反芻および省察を測定する尺度にはRumination-Reflection Questionnaireの日本語版(高野・丹野,2008)、身体への意識を測定する尺度にはBody Awareness Scale(Fujino, 2012)を使用した。その結果、「身体症状」は反芻に正の影響を与え、「身体感覚への意識」は反芻と省察に正の影響を与えることが明らかとなった。つまり、アスリートにとって身体症状を和らげて身体感覚へ意識を向けることが、反芻の抑制や減弱、省察を促進させると考えられる。また、身体への意識が反芻および省察へ与える影響は、性別、競技年数、競技レベルによって異なることが明らかとなった。以上のことから、アスリートに対して反芻の抑制や減弱、省察の促進を目的としたアプローチを行う際には、性別や競技年数、競技レベルを考慮する必要があると考えられる。

ゴルフ競技における試合に向けた心理的準備に関する試み-ABCプランによるコースマネジメントから-

  • 2021/08/01
  • 坂部崇政、高井秀明、木原祐二
  • 日本体育大学紀要

大学女子ゴルフ部を対象に試合における心理的準備の一環として,ABCプランを応用したコースマネジメントを実施することを目的とした。その結果,ほとんどの選手がAプランは「フェアウェイ」,Bプランは「ラフ」,Cプランは「OB」と回答し,共通したコースマネジメントをしていたことが示された。その中でも,レギュラー選手はAプランおよびCプランにおいて,非レギュラー選手よりも具体的な回答(「フェアウェイ左」や「フェアウェイセンター」など)が多くみられ,コースの特徴を考慮したコースマネジメントをしていることが確認された。また,Bプランではショットの許容範囲を広げるプランニングをしており,試合に向けた適切な心理的準備ができていたものと推察される。

自己理解と心理的競技能力との関係:A大学バレーボール部男子を対象として

  • 2021/08/01
  • 髙橋由衣、高井秀明、松井花織、山本健之
  • 日本体育大学紀要

大学男子バレーボール部を対象に自己理解と心理的競技能力の関係性について検討することを目的とした。その結果,自己理解高群は自己理解低群よりも自信,決断力,予測力,判断力,心理的競技能力診断検査の総合得点が有意に高かった。つまり,自己理解が高い人は,自分やチームが取り組むべき課題を把握している可能性があり,自信や作戦能力などの心理的競技能力が高い者と考えられる。また,自己のみならずチームへの理解を深めようとすることは,心理的競技能力診断検査の総合得点をより高めるものと考えられる.

Relationship Between Imagery Ability, Performance, and Variables Related to Performance

  • 2021/05/01
  • The sport psychologist
  • Satoshi Aikawa, Hideaki Takai

本研究では,イメージ能力と体操競技のパフォーマンス,自己効力感,競技中の思考との関係性を検討した.その結果,体操選手のイメージ能力とパフォーマンス,パフォーマンスに関連する変数との関係が明らかになり,体操選手のパフォーマンスを高めるには,目標イメージを想起する能力を高める必要があることが示された.

空間的遮蔽法による画像刺激を用いた選択反応課題時における空手道選手の情報処理能力について

  • 2021/03/01
  • 坂部崇政、高井秀明
  • 武道学研究

本研究では,事象関連電位を用いて空手道選手における情報処理能力の基礎的特徴を明らかにし,突き技の判断時における空間的手がかりを推定することを目的とした。その結果,突き技の判断時には上肢や体幹から得られる情報が重要な手がかりであり,それらの情報が遮蔽された上半身遮蔽条件の反応時間が最も長いことが示された。また,P3振幅の結果から,上段突きよりも中段突きに対する確信度が高いことが明らかとなった。

アスリートの抑うつ症状の重症度別における競技不安や認知的変数の特徴

  • 2020/11/21
  • 平山浩輔、笹川智子、高井秀明
  • 日本スポーツ心理学会第47回大会

本研究では、アスリートを抑うつ症状の重症度別で分類した際に、それぞれの競技不安の特徴や認知的変数の関係性について明らかにし、介入へ繋がる変数を探索することとした。その結果、アスリートの重症度別の特徴として、無症状と軽症のアスリートは、大きな差が無く競技不安や認知的変数の関係性が推移していた。しかし、アスリートが中等症以上の症状を抱えると競技不安と認知的変数の関係性はより強くなることが示された。

模擬試合におけるアーチェリー選手の気分と心拍数の時間経過に関する特徴

  • 2020/11/21
  • 戸松陽平、高井秀明
  • 日本スポーツ心理学会第47回大会

試合中の生理・心理的な特徴を時間経過に沿ってアーチェリー選手のベストパフォーマンス発揮を目指した心理的なアプローチを検討した.実験参加者は,A大学に所属するアーチェリー部の男性12名を対象とした.実験方法は,アーチェリー競技70mラウンドを採用し,そのうち6エンド(36射)を実験対象とした.測定内容は,POMS2とHRを測定対象とした.結果は,試合前は試合後よりも活気-活力と友好の得点が有意に高かった.また,試合中のHRは,試合前,試合前半,試合中盤,試合後半は試合後より有意に高く,試合前半は試合前よりもHRが有意に高いことが明らかになった.