研究一覧

ラグビー選手におけるメンタルローテーション能力と状況認知能力との関連

  • 2019/09/12
  • 浦 佑大、高井秀明
  • 日本体育学会 第70回大会 (慶應義塾大学)

ラグビー選手のメンタルローテーション(以下,MR)能力と状況認知能力との関連について検討した.その結果,ラグビー経験に関わらず,MR能力と状況認知能力は正の相関関係あることが明らかとなった.

野球経験の有無がN-back課題遂行時の処理資源と反応に及ぼす影響―投球映像を刺激に用いて比較―

  • 2019/09/12
  • 岩崎宏次、高井秀明
  • 日本体育学会 第70回大会 (慶應義塾大学)

本研究では、投球映像を N−back 課題の刺激に用いて、野球経験の有無が N−back 課題遂行時の処理資源と反応に及ぼす影響について検討することを目的とした。その結果、野球経験群は野球未経験群よりも、数字刺激と映像刺激における P300 潜時が有意に短かった(p<.05)。また、野球経験群は野球未経験群よりも、映像刺激における反応時間が有意に速かった(p<.01)。以上のことから、野球経験群は投手の動作から手掛かりを効率よく収集し、投じられたボールのコースや球種を迅速に処理して反応した可能性がある。

Effect of differences in relevance between video and observer on attention

  • 2019/07/19
  • Takamasa Sakabe, Hideaki Takai
  • 15th European congress of sport & exercise psychology (Munster Germany)

映像と観察者の関連度の違いによって,映像に対する関心および処理資源に与える影響を検討した。その結果,映像への関心度は,初回と最終回ともに高関連群が低関連群よりも有意に高かったが,両群ともに初回から最終回にかけて有意に低下した。映像に向けられた注意の量も同様の結果を示した。また,プローブ刺激に対するP300潜時は,両群ともに最終回が初回よりも有意に短かった。以上のことから,高関連群は低関連群よりも映像に対して常に高い関心を持ち続けていたことが明らかとなった。

Characteristics of imagery use of athlete from sports character-ristics

  • 2019/07/19
  • Satoshi Aikawa, Hideaki Takai
  • 15th European congress of sport & exercise psychology (Munster Germany)

In this study, sports were classified in detail, was investigated the frequency of the characteristics imagery use. The results showed that individual type of sports and baseball type of sports use imagery in more sports scenes than interpersonal type of sports and short-distance type of sports. In addition, it was revealed that individual type of sports use skill imagery rather than interpersonal type of sports, goal type of sports, net type of sports, and interpersonal type of sports, and goal type of sports use strategy imagery rather than individual type of sports.

目標設定に向けたサポート資源の抽出―大学トップレベルの女子ラグビー選手を対象として―

  • 2019/04/01
  • 鈴木千寿、平山浩輔、高井秀明
  • 日本体育大学スポーツ科学研究

本研究は、選手の目標を達成する過程を評価するための手段を提案するものである.選手の環境そのものや選手の状況,物的資源を含む広義なものを「サポート資源」として定義した。対象者はA大学ラグビー部に所属する女子選手20名であった。分析の結果、サポート資源は8つのカテゴリーに分類でき、サポート資源の内容についてはチーム内で同じワードであっても異なる意図や目的がチームには存在していた。また、カテゴリー別のチームの平均得点は「ヒト」が37.95点で最も高い値を示し、「モノ」が3.10点で最も低い値を示した。これらの結果からサポート資源の可視化や得点化は、選手だけでなく指導者の支援に向けた情報の取得、チームへのサポート体制の検討材料につながることが示された。

サッカーにおけるユニフォームの色彩がチームのプレイスタイルの印象評価に及ぼす影響

  • 2018/12/24
  • 高井秀明、浦佑大、髙橋由衣、岩崎宏次
  • 日本フットボール学会16th Congress

調査対象者は、男子サッカー選手510名であった。本調査はWebアンケートで実施され、フェイスシートと12色の刺激画像に対して5つの特性語対(カウンター―ポゼッション、攻撃的―守備的、テクニシャン―パワフル、個人プレー―チームプレー、興奮―冷静)を両端に配置したSD法によって構成された。暖色・蛍光色は、寒色・無彩色・中間色よりも「カウンター、攻撃的、パワフル、個人プレー、興奮」を有意に印象づけた。寒色は、暖色・蛍光色・無彩色・中間色よりも「ポゼッション、守備的、テクニシャン、チームプレー、冷静」を有意に印象づけた。ユニフォームの色彩は、チームのプレイスタイルの印象評価に影響を及ぼすことが明らかとなった。

日本語版The Sport Imagery Ability Questionnaireの作成および信頼性と妥当性の検討

  • 2018/12/18
  • 相川 聖、高井秀明、平山浩輔
  • 体育学研究

本研究は、Williams & Cumming(2011)のSIAQの日本語版を作成し、アスリートの競技レベルや競技種目によるイメージ能力の特徴について検討した。研究Ⅰでは日本語版SIAQの信頼性と妥当性を検討し、研究Ⅱでは日本語版SIAQを用いてアスリートの競技レベルや競技種目によるイメージ能力の特徴を検討した。なお、ここでは日本語版SIAQの再検査信頼性も検討した。検討の結果、日本語版SIAQは12項目からなる4因子構造であることが確認された。また,内容的妥当性や内的整合性,再検査信頼性も確認され、概ねの信頼性と妥当性を有していることが明らかとなった。さらに、日本語版SIAQで測定できるイメージ能力は、競技レベルや競技種目の特徴を反映した。

ソーシャルサポートの互恵性が男女の精神的健康に及ぼす影響

  • 2018/10/14
  • 永野遼平、高井秀明、大久保 瞳、岩崎宏次
  • 日本スポーツ心理学会第45回大会

本研究では、性差に着目し、ソーシャルサポートの互恵性が精神的健康に及ぼす影響について検討することを目的とした。その結果、ソーシャルサポートの互恵性は、精神的健康に女性では弱く、男性では強く影響を及ぼすことが明らかとなった。

アスリートの性格特性が精神的健康に及ぼす影響―認知的感情制御方略を媒介要因として―

  • 2018/10/14
  • 大久保 瞳、高井秀明、永野遼平、岩崎宏次
  • 日本スポーツ心理学会第45回大会

本研究では、アスリートの性格特性が精神的健康に及ぼす影響について、認知的感情制御方略を媒介要因として検討することを目的とした。その結果、情緒不安定性は不適応的な方略を介して精神的健康に正の影響を及ぼすことが示され、外向性は適応的方略を介すことで精神的健康に負の影響を及ぼすことが示された。

サッカー選手における色彩の嗜好性が性格特性に及ぼす影響

  • 2018/10/13
  • 浦佑大、高井秀明、髙橋由衣、岩崎宏次
  • 日本スポーツ心理学会第45回大会

本研究では、並川(2012)が開発したBig Five尺度短縮版を用いて、サッカー選手を対象に性格特性がユニフォームの色彩の嗜好性に及ぼす影響を検討することとした。その結果、暖色系群は無彩色系群よりも外向性が有意に高いことが明らかとなった。また,寒色系群は,暖色系群よりも調和性が有意に高いことが明らかとなった。以上のことから、サッカー選手の色彩の嗜好性には性格特性が影響していることが示され、個人の特性を反映したユニフォームの配色を提案する際に活用することができると考えられた。