Research list 研究一覧
- 高井秀明、浦佑大、髙橋由衣、岩崎宏次
- 日本フットボール学会16th Congress
調査対象者は、男子サッカー選手510名であった。本調査はWebアンケートで実施され、フェイスシートと12色の刺激画像に対して5つの特性語対(カウンター―ポゼッション、攻撃的―守備的、テクニシャン―パワフル、個人プレー―チームプレー、興奮―冷静)を両端に配置したSD法によって構成された。暖色・蛍光色は、寒色・無彩色・中間色よりも「カウンター、攻撃的、パワフル、個人プレー、興奮」を有意に印象づけた。寒色は、暖色・蛍光色・無彩色・中間色よりも「ポゼッション、守備的、テクニシャン、チームプレー、冷静」を有意に印象づけた。ユニフォームの色彩は、チームのプレイスタイルの印象評価に影響を及ぼすことが明らかとなった。
- 髙橋由衣、高井秀明
- 日本スポーツ心理学会第45回大会
本研究では、大学生アスリートの自己複雑性が実力発揮に与える影響について検討した。調査対象者は、A大学体育専攻学生232名であった。その結果、否定的自己複雑性は実力発揮に有意な負の影響を与えた。また、クローズドスキルはオープンスキルより否定的自己複雑性から実力発揮への影響が大きいことが明らかになった。クローズドスキルは個人競技であるため、自己に注意が向きやすい。よって否定的な側面が増加すると、否定的な感情や認知に対して適応的に対処できなくなるため,実力発揮を阻害する要因になると考えられる。以上のことから、競技場面において否定的自己複雑性が高まることにより、不安や緊張が喚起され、実力発揮に負の影響を与えた。特に自己に注意が向きやすいクローズドスキルでは、否定的自己複雑性が実力発揮に影響を及ぼすことが明らかとなった。
- 岩崎宏次、高井秀明、大久保瞳、永野遼平
- 日本スポーツ心理学会第45回大会
本研究では,A大学に所属する体育専攻学生を対象に、ISS心理サポート申込書を参考にし、独自で作成した調査用紙を用いて、競技スポーツ場面における心理的問題・課題に関する実態およびメンタルトレーニングに対する認知度について把握することを目的とした。その結果、A大学に所属する体育専攻学生は競技レベルに関わらず、競技における心理的な問題・課題を抱えており、その問題・課題を対処できていないことが伺えた。心理的な問題・課題の対処ができていない要因の一つとして、これまでにメンタルトレーニングの経験がないことが考えられる。また,実力を発揮するために心理サポートは必要だと考えていることが示された。また,現在の問題・課題となっている内容(複数回答)について、国際大会レベル群のみ「だるさ・疲労感」や「競技生活での焦り」を多く回答していた。大して,全国大会レベル以下の群は、「試合での実力発揮」を多く回答していた。以上のことから、競技レベル特有の心理的な問題・課題が明らかとなり、特に国際大会レベルの選手には、目標とする大会や試合に向けてピークパフォーマンスを発揮するための心理的コンディションを考慮した心理サポートが必要であると考えられた。
- 浦佑大、高井秀明、髙橋由衣、岩崎宏次
- 日本スポーツ心理学会第45回大会
本研究では、並川(2012)が開発したBig Five尺度短縮版を用いて、サッカー選手を対象に性格特性がユニフォームの色彩の嗜好性に及ぼす影響を検討することとした。その結果、暖色系群は無彩色系群よりも外向性が有意に高いことが明らかとなった。また,寒色系群は,暖色系群よりも調和性が有意に高いことが明らかとなった。以上のことから、サッカー選手の色彩の嗜好性には性格特性が影響していることが示され、個人の特性を反映したユニフォームの配色を提案する際に活用することができると考えられた。
- 相川 聖、高井秀明・中瀬卓也
- 日本スポーツ心理学会第45回大会
本研究は、アスリートのイメージ能力と競技のパフォーマンスとの関係性を検討した。また、イメージ能力が競技のパフォーマンスに関連する変数である自己効力感と競技中の思考に及ぼす影響についても検討した。対象者は、A大学体操競技部員52名であった。検討の結果、目標イメージが競技のパフォーマンスに有意な正の影響を与えることが明らかとなった。また、目標イメージは体操競技における自己効力感や競技中の自信を表す思考にも有意な正の影響を与えることが示された。よって、目標イメージは、良いパフォーマンスの遂行に重要な自己効力感や自信を向上させ、アスリートのパフォーマンス発揮に効果的に作用することが示された。
- 坂部崇政、高井秀明、大久保 瞳
- 日本スポーツ心理学会第45回大会
本研究では、映像に対する選択反応課題中の事象関連電位(ERP)を測定することで、より競技場面を反映した状況で行動的・生理的反応について明らかにすることを目的とした。その結果、逆突きに対するP300振幅が刻み突きよりも増大する傾向が示された。よって、刻み突きよりも逆突きに対して高い確信を持って判断していることが示唆された。
- 永野遼平、高井秀明、大久保 瞳、岩崎宏次
- 日本スポーツ心理学会第45回大会
本研究では、性差に着目し、ソーシャルサポートの互恵性が精神的健康に及ぼす影響について検討することを目的とした。その結果、ソーシャルサポートの互恵性は、精神的健康に女性では弱く、男性では強く影響を及ぼすことが明らかとなった。
- 大久保 瞳、高井秀明、永野遼平、岩崎宏次
- 日本スポーツ心理学会第45回大会
本研究では、アスリートの性格特性が精神的健康に及ぼす影響について、認知的感情制御方略を媒介要因として検討することを目的とした。その結果、情緒不安定性は不適応的な方略を介して精神的健康に正の影響を及ぼすことが示され、外向性は適応的方略を介すことで精神的健康に負の影響を及ぼすことが示された。
- 髙橋由衣、高井秀明、浦佑大、岩崎宏次
- 日本体育学会第69回大会
年齢や性別によって嗜好性の高い色は異なる(千々岩、2001)。運動場面での色に対する印象評価には嗜好性や性別が影響するものと考えられる。そこで本研究では、性差が色に対する印象評価に及ぼす影響について検討した。その結果、男性は色に対する過小評価、女性は過大評価の度数が有意に多いことが示された。次に、運動時に着用したい服の色の偏りについてχ2 検定を行った。その結果、男性は無彩色、女性は暖色が有意に多いことが示された。男性は色に対して不快的に評価し、 女性は色に対して快方的に評価することが多い(大森・和田、2009)。よって男性は色に対して過小評価し、女性は色に対して過大評価すると考えられる。以上のことから、色の印象評価には性差が影響する可能性が示された。
- 浦佑大、高井秀明、髙橋由衣、岩崎宏次
- 日本体育学会第69回大会
755名のアスリートを対象に、Big Five尺度短縮版(並川ら,2012)を用いて、競技特性(オープンスキル・クローズドスキル)およびチーム内での地位(レギュラー・非レギュラー)の違いが競技者の性格特性に与える影響を検討した。その結果、オープン群はクローズド群よりも外向性が有意に高く、情緒不安定性が有意に低い傾向を示した。また、レギュラーは非レギュラーよりも外向性が有意に高く、情緒不安定性が有意に低かった。よって、オープン群はクローズド群、レギュラーは非レギュラーよりもスポーツマン的性格(外向的・情緒的安定)を有していることが示された。さらに、オープン群の非レギュラーはクローズド群の非レギュラー、クローズド群のレギュラーは非レギュラーよりも開放性が有意に高かった。よって、競技特性及びチーム内での地位の違いは、アスリートの性格特性に影響を与えることが明らかとなった。
- 所属先
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〒158-8508
東京都世田谷区深沢7-1-1
日本体育大学東京・世田谷キャンパス2415研究室 - 連絡先
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高井秀明(Takai Hideaki)
日本体育大学体育学部体育学科
TEL:(03)5706-0863
FAX:(03)5706-0863
E-mail:takai@nittai.ac.jp